公務員「……」グビグビ…
公務員「ぷはーっ! 愚民どもの血税で飲む酒はうまくてたまらんわ!」
公務員「おい、もっと酒持ってこい!」
社畜「ちょっと待ったァ!」
公務員「なんだ君は?」
社畜「キサマ……まだ5時を回ってまもないのに酒なんか飲んでいいと思ってるのか!」
公務員「あいにくだが、我々の仕事は5時で終わりでね」
社畜「キサマらの手を欲する市民たちはいくらでもいるんだぞ!」
公務員「それがお役所仕事というものだ」
社畜「キサマ……ッ!」
公務員「まあ、君はせいぜい残業するのだな。この私に搾取されるために……」
なんだこれ
社畜「許さん……許さんぞ!」
社畜「今日こそキサマを倒し、労働の辛さを味わわせてくれるわ!」
公務員「一介の社畜如きが、私に敵うと思っているのか?」
社畜「もちろん一人じゃ到底敵わない……」
社畜「だから、今日は大勢の仲間たちを連れてきている」
公務員「民間(ムシケラ)どもが……!」
公務員「よかろう。どいつからでもいい、かかってくるがいいわ!」
営業マン「社畜さん」
社畜「営業マン!」
営業マン「ここは俺にお任せを!」
社畜「いいだろう……ただし油断するなよ!」
営業マン「もちろんです!」
営業マン「いくぞぉっ!」バババババッ
社畜(出た! 営業マンのフットワーク!)
社畜(クライアントから呼び出しがあれば、ピザ配達ばりの早さで駆けつける!)
社畜(こいつはこのフットワークの軽さで、さまざまな契約を勝ち取ってきたんだ!)
公務員「……」
公務員「……」スッ
営業マン「あれは……公共事業!?」
公務員「ほれほれ、欲しいか?」
営業マン「欲しい! 欲しい!」
公務員「そーれ、とってこいっ!」ポイッ
営業マン「ワン! ワンワン!」タタタッ
社畜「公共事業だと!? くっ……釣られるのも無理はない!」
営業マン「やったぁ! 公共事業ゲット!」
公務員「残念だったな……その公共事業は爆弾だ」カチッ
ドゴォォォォォンッ!!!
社畜「え……営業マーン!!!」
5時上がりのヒラ公務員が公共事業を左右出来る理由を書きなさい
社畜「しっかりしろ!」
営業マン「す……す、みま、せ……」ピクピク…
公務員「火加減はいかがだったかな?」
社畜「お、おのれええっ!」
店長「次はわたくしめにお任せを」
社畜「おおっ、飲食店の店長!」
店長「わたくしめが、あの公務員にサービスの真髄を味わわせてあげましょう」
勝てる気がしない
店長「さあ、勝負です! いらっしゃいませ!」
公務員「飲食店には弱点がある」
店長「なんですって!?」
公務員「それは……客に弱い! よほどイカれた客でなきゃ、反論すら許されない!」
店長「ぐっ!?」
公務員「まして、私は公務員――お客様が神様なら、公務員様は全能神!」
店長「はううっ!?」ビクビクッ
公務員「今後もウチの職員に利用して欲しかったら、ひれ伏すがよいわ!」
店長「ははーっ!」ガバッ
社畜「店長のサービス精神を逆手に取るとは……公務員めぇ!」
土方「ガッハッハ! オレに任せなァ!」
社畜「土方!」
土方「ああいう策を弄するタイプはな、案外力押しに弱いんだ!」
土方「パワーで押さえ込むのが一番なんだ!」ムキッ
社畜「一理あるかも!」
土方「ってわけで、オレが相手になってやるぜ、公務員!」
公務員「来たまえ」
郵便局とNTTはどちらにつくのか
土方「うおおおおおおお!」ガシッ
公務員「……」ガシッ
土方「ガッハッハッハッハァ! どうだ、このパワー! 公務員様よォ!」ムキムキッ
公務員「……」グググッ…
社畜「両手で組み合った! 土方、一気に押し潰せー!」
JR「」ニヤニヤ
土方「――うっ!?」ググッ…
公務員「どうした、この程度か?」
社畜「土方が……押し返されてる!?」
土方「な、なんで……! 公務員にこんなパワーが……!?」
公務員「公務員はいつも時間を持て余していてねえ」
公務員「筋トレする時間には困っていないんだ」ムキムキッ
土方「な、なんだとォォォ!?」メキメキ…
公務員「現場でチマチマ肉体労働してればいいものを……背伸びするからこうなる」ギュッ
ボキベキッ!
土方「うぎゃぁぁぁぁぁっ!!!」
パワー系かよ
社畜「くそっ、パワー自慢の土方がパワーで潰されるなんて……!」
SE「……」カタカタ
社畜「SE!」
SE≪私がヤツの勤めてる役所のコンピュータをハッキングして、データを破壊して≫カタカタカタ
SE≪公務員に一泡吹かせてやりますよ≫カタカタカタ
社畜「おおっ、やってくれ!」
社畜(パソコンでしゃべるのはやめて欲しいけど)
お前前に商店街とイオンモールの戦いも書いてたろ
SE「えーと、まず……」カタカタ
SE「……」カタカタ
SE「……」カタ…
SE「め、めまいが……」ガクッ
社畜「システムエンジニアァーッ!」
社畜「やはり俺以上の激務をこなしてる彼を連れてくるべきじゃなかった……!」
SE何しに来たんだよwwww
芸能人「フッ、ならばボクに任せたまえ」
社畜「芸能人!」
芸能人「見よ、この華やかな“芸能人オーラ”を!」キラキラキラ…
社畜「うおっ、まぶし!」
社畜(LED照明にも劣らない眩しさ! 芸能人ならきっと公務員を倒せる!)
公務員「……」
芸能人「はあああああ……!」キラキラキラ…
芸能人「タレント・ビーム!」バシュッ
スガァァァンッ!
公務員「ぐっ……!」
社畜「効いてる、効いてる! さっすが芸能人!」
公務員「なるほど、さすがは芸能人。瞬発力や爆発力は大したものだ」
芸能人「今さら褒めたって遅いのさ! トドメを刺すよ!」キラキラキラ…
公務員「だが――」
公務員「あまりにも不安定すぎる」ケリッ
芸能人「あうっ!?」ドサッ
芸能人「た、立てない! 立てないよう!」ジタバタ
公務員「しょせん君は一発屋だったようだな」
社畜「ああ……一度こけてしまったら、芸能人はなかなか立ち直れない……!」
誰か勝って
ホスト「オレがやってやる!」
ホスト「ドンペリシャワーを喰らえッ!」ジャババァァァァァ
公務員「……」ビショビショ…
社畜「決まったァ! 公務員め、ドンペリでメロメロになるがいい!」
なんだかんだで五時を回って間もない時間に集まってる皆さん
公務員「悪いが……」
ホスト「?」
公務員「公務員にとってドンペリなど珍しいものではない」
ホスト「なんだと……!?」
公務員「ドンペリを飲みながら仕事をするなど日常茶飯事だ」
ホスト「ペリィ―――――ッ!!!」ドサッ
社畜「ナンバー1ホストでさえ、赤子扱いか……!」
公務員すげえ!
俺も公務員になりてえ
主婦「あたしに任せなさいな」
社畜「おおっ、我が愛しきワイフ!」
主婦「まったく公務員如きに手こずるなんて、だらしがないんだから……」
社畜「……すまん」
主婦「主婦の底力を教えてあげるわ」
主婦「主婦の労働を年収に換算すると……1000万円を超えるのよ!」ジャキーン
公務員「ほう……」
社畜(これについては色々言いたいことがあるが、今はやめておこう)
公務員「あいにくだったな」
主婦「え?」
公務員「公務員の平均年収は一億だ」
主婦「な、なんですってぇぇぇ!?」
公務員「しかも円じゃない、ドルだ」
社畜「バ、バカな……!」
公務員「公務員は国民全体に奉仕しているのだ。それぐらいもらって当然だろう」
公務員「たかが夫や子供に奉仕してるだけにすぎん主婦とは……格が違う!」
主婦「いやぁぁぁぁぁっ!」バタッ
社畜「おい、しっかりしろっ!」
前にイオンvs商店街書いたやつだろ間違いなく
ネオニート「ふん…所詮は下々の者どもの争いよ…」
老人「わしに任せなさい」
社畜「あなたは! すでに定年退職したはずでは!?」
老人「後輩がピンチだというのに、放ってはおけんよ」
老人「わしが年の功で、あの思い上がった公僕を叩きのめしてくれよう」
社畜「お、お願いします!」
公共事業で突っ込まれたからファンタジーに寄せてきたな
老人「ゆくぞ!」
公務員「年金カット」
ズバァッ!
老人「うぎゃああああああ!!!」
社畜「瞬殺かよぉ~!」
ワロタ
ニート「うひひひ……」
社畜「お前は……!」
ニート「君らの空回りっぷりを、ネットで見物させてもらってたよ」
社畜(ネット配信されてるのか、この戦い)
ニート「まぁ、ぼくに任せたまえ」
ニート「ニート歴××年のぼくが、“不働(はたらかず)”がなぜ最強であるかをご覧に入れよう」
社畜(こんなヤツの力を借りるのはシャクだが、やむをえん!)
社畜(猛毒を制するには、猛毒をぶつけるしかない!)
ニートは「フヒヒヒヒwwww」だろ
ニート「生活保護を受給して、財政を圧迫してやる!」
公務員「あげない」
ニート「ぐはぁぁぁぁぁっ!」
社畜「ニートにちょっとでも期待した俺がバカだった……」
社畜「こうなったら……俺自ら挑む!」
公務員「おいおい、君が連れてきたお仲間たちの無様な戦いを見てなかったのか?」
公務員「万に一つも君に勝ち目はないぞ」
社畜「勝てないと分かっていても……」
社畜「報われないと分かってても、会社に通い続ける……それが社畜だ!」
社畜「うおおおおおおおおおおっ!」ダッ
公務員「やれやれ、民間(ムシケラ)の考えていることは分からんよ」
公務員「せっかくだ……これから君に公務員の醍醐味を味わわせてあげよう」
社畜「斬業拳!」ズババババッ
公務員「サービス残業が趣味なだけあって、サビついた切れ味だねえ」
社畜(切れてない!?)
公務員「よっと」ガシッ
社畜「うわっ!」
公務員「こうやって、頭の上まで持ち上げて……」グイイッ
社畜「や、やめっ――」
公務員「公務員の醍醐味は……退職後のおいしい生活にこそある」
公務員「天下りドロップ!」グオオッ
ズガァンッ!!!
社畜「つ、強すぎる……!」
公務員「公務員のすごさを思い知ったか! 民間(ムシケラ)ども!」
公務員「これからもせいぜい血ヘド吐きながら税を納めろ! ハーッハッハッハッハ!!!」
社畜「ちくしょう……!」
社畜(やはり民間をいくら集めても、公務員には敵わないのか……!)
男「ちょっと待ったァ!」
社畜「……!?」
社畜(誰だ? あんなの呼んでないぞ? それに、俺ぐらいやつれてる……)
男「俺は……真の公務員だ!」
社畜「……は?」
男「公務員は楽だっていわれてるけど、あんなの嘘っぱちだ!」
男「俺なんて、頭おかしい市民にクレームされまくってノイローゼ寸前だしな……」
男「今もトイレで三回吐いてきたんだ」
社畜(こいつが……公務員!?)
社畜「……じゃ、じゃあ、あれは、夕方から酒飲んでたあいつは誰なんだ!?」
公務員「……」
いままで残業公務員ワイ
低みの見物
男「あいつは世の公務員への憧れや幻想が具現化した存在なんだ!」
男「いわば……幻想によって生み出された“公務員”という名の魔物だ!」
男「ヤツの狙いは民間と公務員の対立を誘い……共倒れさせることなんだ!」
社畜「なんだと……!?」
公務員「ふん……まさか本物が出てくるとは思わなかった」
公務員「だが、今さら出てきてももう遅い」
公務員「君ら労働者(ムシケラ)は、みんな私の手で破滅する運命なのだ!」
社畜(そういうことだったのか……!)
社畜(ってそりゃ、いくらなんでも年収一億ドルはねえよな)
面白い
社畜「どうすればあいつを倒せる!?」
男「みんなで……力を合わせるしかない」
公務員「できるわけがない! 普段から上級国民だ、底辺だ、といがみ合ってるお前たちではな!」
公務員「さっきまでの戦いでも、チームワークなどまるで見られなかったしな!」
公務員「お前らは団結できないまま、各個撃破される運命なんだよ!」
社畜「……」
社畜「……できるさ」
公務員「な、なにっ!?」
おいついた
社畜「俺は勘違いしてた……労働者はみんな平等!」
社畜「みんなみんな、働いているんだ! 友達なんだ!」
社畜「みんなぁ! 俺に力を貸してくれ! あとニートはちゃんと働け!」
営業マン「俺の名刺、受け取って下さい!」
店長「わたくしのサービス精神も!」
土方「オレのパワーをアンタに貸すぜ!」
SE「……」カタカタッターン
芸能人「残るオーラをあげよう!」キラキラキラ…
ホスト「ペリィッ!」
主婦「あたしだって結婚するまでは働いてたのよ! 職場結婚よ!」
老人「ほれっ、年金じゃ!」
ニート「これからはハローワークに通います!」
男「公務員の力も使って下さい!」
社畜「うぅおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!」グゴゴゴ…
公務員「バカな……まとまるわけが……!」
社畜「ありがとうよ……」
社畜「キサマのおかげで、俺たちは団結することができた」
社畜「勤労貫射ッ!!!」
ズオオオオッ!!!
公務員「おのれぇ……! 労働者(ムシケラ)どもが……!」
公務員「しかし、お前らに妬み、いがみ合う心ある限り……私は……復活……」
公務員「ぐおぉぉぉぉぉ……」ボシュゥゥゥゥゥ…
> 社畜「勤労貫射ッ!!!」
お前これ使いたかっただけだろwwww
>>62
これ
営業マン「やりましたね!」
社畜「ああ!」
社畜「俺はこの戦いで大切なことを学んだよ……」
社畜「労働者は競争こそすれ、いがみ合ってはならないと」
営業マン「その通りですよ!」
社畜「古臭い言葉だけど、職業に貴賎なしってやつだ」
プルルルル…
社畜「……ん?」
国家公務員だけどこんな恨まれる覚えない
読んでないけどな
社畜「もしもし」
上司『ああ、君かね。退社したのに悪いが、実は至急頼みたいことがあるんだが』
社畜「は、はいっ! すぐ会社に戻って――」
社畜「……」
社畜「……すみませんが、私用がありまして、明日にしていただけませんか」
上司『むう、まあ明日でもかまわんが……』
社畜「……」ピッ
営業マン「どうしました?」
社畜「なんでもない。今夜はここにいる全員で飲みに行こう!」
社畜(……たまにはこういうのもいいよな)
おわり
良いssだった
乙
首になった会社に呼び出されるとか怖すぎ
お疲れ
面白かった
さわやかな話だった