出会い系 相談/質問させて 雑談

出会い系アプリで知り合った彼女と近々同棲する顛末

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1: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 20:49:48.34 ID:rzF+zPYr

だらだら吐露させてほしい

 

2: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 20:51:28.82 ID:rzF+zPYr

出会いはひまトークというアプリ
最初は俺が28歳
相手が23歳
くらいだったと思う
俺は無職で彼女はデリヘルを始めたばかりだった

 

4: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 20:55:31.49 ID:rzF+zPYr

あれ、27さいと22さいかも知れん
まぁいいや

その頃の夢破れ長年連れ添った彼女にも別れを告げ、自暴自棄になっていた
失業保険を元手に女遊びをちょくちょくするようになってしまっていた
文字通りのクズだ

そんなクズがその彼女と出会ったのも
最初はたんなる体目的であった
彼女の貞操観念は低く、会ったその日にセックスをした

5: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:00:09.69 ID:rzF+zPYr

その頃の俺は、のミス

体の相性はよかった
またやりたいと思った
そして、何度か通ううちにお互いなぜか好意を持つようになっていった
俺は思えば彼女のとても寂しげな雰囲気に、自分が入り込む隙間を見出したのかも知れない
それと、どこか厭世的な態度も自分と相性がよかった

 

6: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:05:23.13 ID:rzF+zPYr

セックスし終わってタバコを吸う彼女
仕事が始まる前化粧をするときの一服する横顔
ほんとうにとてもさみしそうだった

俺は夢と交際関係、交友関係を抹消して自分の殻に閉じこもっていたので、寂しい人間であることに違いはなかった

はっきりとはわからないけどなぜかふたりは磁石のように惹かれあっていった

その頃の俺は元カノのことも夢のことも友人のこともまったく整理がつかずに毎晩うなされながらかろうじて生きていた
その頃の彼女はすでに好意を抱けなくなった反面、半分婚約しているような状態の彼氏がいた

 

10: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:13:01.90 ID:rzF+zPYr

その看病の頃から、ふたりの好意はそれぞれ顕在化しはじめた
でも俺は夢や元カノのことが忘れられないし、彼女は当時の彼氏との関係があって、なんだか公に認められるつながりは一つもなかった
お互いを繋ぎ止めるのは互いの好意だけだった
なぜそんなに惹かれあったのかわからないが、俺は外見的な愛らしさもそれほど無く、ステータスも皆無の彼女のことを好きになり、彼女も決して容姿の優れたとは言えない単なる無職の俺のことを好きになっていた

 

8: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:08:38.63 ID:rzF+zPYr

ふたりとも内省的なベクトルを抱えながら行き場を失っていたのだと思う

あるとき彼女が高熱を出した

たんなるセフレの域を出ない関係性だったが、好意を抱いていたのは間違いないので、やさしく看病してやろうと思った
元カノの看病に慣れていたので、きっと看病はうまくいったのだと思う
彼女は元気になった

 

11: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:19:08.91 ID:rzF+zPYr

公に認められるつながりがないため、ふたりとも理性的にはもう会わないようにしなくては、と考えるようになり始めていた
先のない関係は続けていても時間の無駄だと。

看病のあとも何度も会いながら、お互いそう考えた。

ある時仕事や諸々のストレスで身体中が痒くなり眠れなくなった彼女を連れて、真夜中の散歩にでかけたことがあった
誰もいない市街地をふたりで手をつないでとぼとぼと歩いたり、ベンチに座って話をしたりした。とてもやさしい時間だった。

 

12: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:26:03.03 ID:rzF+zPYr

そんなことをしてるうちにいよいよお互いの気持ちは強くなり、別れるにも別れづらくなった
でも正式に付き合うのは、過去を忘れられない理由で主に俺が拒否してた

そうこうしてるうちに彼女に店を変える転機が訪れた

基本的にデリヘルって寮があって出稼ぎの子とか身寄りがない子は手っ取り早くそこに住める。次の店は俺んちの近くにしたら?と半分冗談な気持ちで進めたら、行動派の彼女は本当に同じ市内に来やがった

かくして、1度目のふたりの暮らしが幕を開ける

 

13: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:30:36.10 ID:rzF+zPYr

ふたりの暮らしはデコボコだった
関係性や互いの趣味趣向、すべてが不揃いでとにかく普通ではなかったように思う
しばらくして俺はアルバイトをはじめた
彼女は相変わらずデリヘルを続けた
車も無く、移動は自転車や原付
原付はお互い持っていたので、たまの遠出はそれに乗って。
お金はないので節約をしながら。
とにかく俺の方が稼ぎは少なかったので、半分ヒモみたいな感じだった
バイトを始める前は完全に、とまでは言わないがほぼヒモだったと思う

 

14: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:38:49.41 ID:rzF+zPYr

俺はその頃、傲慢にも彼女に自己肯定感を少しでも得てほしいと思い、なるべくやさしく接するように心がけた

家庭環境が良くなかった彼女には、とにかく自己肯定感が無かったし、それは簡単には変わらず現在もひきづったままである

家庭環境が良くないから、生きている理由が見つからないらしいし、育ちも悪いから好き嫌いが多いし、遊びにも幅が無くて、ゲーセンとか飲み屋くらいしか彼女は知らなかった

 

15: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:46:24.57 ID:9ux4QFDX

お前さんの夢ってなんだったのさ?

 

17: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:47:50.63 ID:rzF+zPYr

>>15
脱サラしてあることで独立しようとしてた
まぁそのことはいいじゃないか

 

16: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:46:31.74 ID:rzF+zPYr

貞操観念の低さも、自分を大切にできないから。
そんな彼女を不憫に思い、すこしでも変えてやろうと俺は思った。そのことは今考えれば傲慢だっだと思うが、折に触れ彼女に感謝の言葉を贈られることもある。

お金がないけど、散歩ならできる
春なら桜を見て。秋なら紅葉を見て。
自炊したりたまの贅沢ではなるべく彼女の嫌いなものをおいしく食べられるように、ほんの少し工夫した
今までそんなことはあまり体験してこなかったらしい彼女は、折々で嬉しそうに笑った

気がつくと好き嫌いが減って、とても花が好きになっていた

 

19: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:53:00.56 ID:9ux4QFDX

俺はわりとこの文体好きやで

 

20: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 21:54:53.37 ID:rzF+zPYr

俺がしたことは本当に文面にしたことくらいで、実際はかかるお金は6~7割彼女の負担でしていた。
自分で言うのもなんだがかなり好かれていたので、後ろめたい気持ちもありつつ二人でいろんなことを楽しみたいという欲に身を任せて金銭的には甘えてしまっていた。
でも俺から金をせびったりすることはまったく無かった。

そうして、たくさんの思い出ができていった
ささやかでやさしくて幸せな日々だった

 

21: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 22:02:25.69 ID:rzF+zPYr

しかしデコボココンビだったことは拭いきれない事実で、それに伴って不具合も発生した
いい歳こいてフリーターの俺
いい歳こいてデリヘルの彼女
うまくいくわけがないのだ

それに加え、御察しの通り彼女はすこしメンヘラ気質で束縛したがりだった
でも俺はのびのびしていたい自由人
そのことでもたびたび二人の日常に亀裂が入った

幸せでべったりと塗り固めようとしている日常には、甘くやさしい塗料だけではどうしようもないような深い亀裂が月一くらいの頻度で発生していた
とてもいびつな日常になっていった

 

22: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 22:08:09.46 ID:rzF+zPYr

喧嘩は多かった
それだけお互いのことを好きだったのだと思う
それまでまったく泣かない、涙など枯れたものだと言っていた彼女は、いつしか泣き虫になっていた

将来のことや相手や自分自身への不信感が引き金となり、よく喧嘩した
その度に、やはり別れよう、一緒にいてはだめだと思ったが、とうとう別離できなかった

そしてその度にすこしずつではあるが、絆は深まっていた

俺がアルバイトを始めて2ヶ月ほどが経過するまで、ふたりはまだ世間からしたら、関係性としてはセフレの域を出ていなかった

 

23: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/08(日) 22:19:20.21 ID:rzF+zPYr

ちなみに彼女が泣き虫になったのは、ひどい喧嘩を繰り返すからではなくて、相手への思いが強かったからだ
喧嘩をして仲直りするときに流す涙、といえばわかりやすいかもしれない

そうしていびつな日常と避けられない喧嘩をしていくうちに、今の関係をそのまま続ける限界がきた
もう先がないのだ

別れよう

そう思った
でも最終的に口から出た言葉は「付き合おう、ちゃんと。」というものだった
そのとき彼女は嬉し涙をながしていた

 

27: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 05:05:39.34 ID:5jB01Q08

正式な彼氏彼女の関係になり、そしてアルバイトとはいえ仕事らしいことを始めたことで、俺は過去の記憶の整理に着手することができ始めていた
うなされる日も少なくなっていった

擬似的な同棲生活も、いびつさは相変わらずではあったが幸せな側面もあり、なんとか続いていた

 

28: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 05:14:38.33 ID:5jB01Q08

問題はそれぞれの仕事だった
俺も彼女も、ヌルい現実に浸かりつつ、このままでは相変わらず先がないことは認識していた
この歳で正社員じゃないってのはまずい。バイトだから収入も少なく、安定しない。過去の整理ができ始めたとはいえ、家族や親戚、友人などのつながりに関しては避け続けている自分がいた
いろんなものから逃げ、彼女の家に浸る生活。自堕落だった。

そんな中、俺は大きな労災事故を起こしてしまう

 

29: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 12:12:39.81 ID:5jB01Q08

続きのんびり書く

 

30: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 12:59:08.96 ID:5jB01Q08

もう少し当たりどころが悪ければ死んでいたような事故で、ICUに運び込まれたのち、2ヶ月の入院とその後の自宅療養を余儀なくされた。

事故を起こした時、バイト先のほかに家族と彼女に連絡がいった。なかなかひどい状態で運び込まれていたらしく、両者からは相当心配された。特に彼女は俺の姿を見た瞬間泣き出してしまったらしい。
頭を強く打って吐き気を催していたし、視界が悪くなっていた俺は、その時のことをあまり覚えていない。

こうして何事もないようないびつなヌルい日常は、突然の事故によって幕を閉じたのだった。

 

32: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 13:06:48.15 ID:5jB01Q08

ふたりの出会いからこの事故までを振り返るとするなら、
出会いから彼女の引越しまでが第1章。
引越しから正式に付き合うまでが第2章。
付き合ってから事故までが第3章。
そして事故をした時からが第4章という感じ。

二人の交際には確実に段階があった。
それは俺が彼女のありのまま受け入れることがなかなかできていなかったからでもある。
彼女を変えたい、自己肯定感が芽生えれば、そう思っていたくせに婚約をしてあげるわけでもなく正式に彼女として交際するのにも長い時間をかけた。
彼女はずいぶん待ったと思う。
それでも彼女は何も見えない靄のかかった未来に毎日不安を抱きながら俺のことを好きでいてくれた。何もない俺のことを。

 

33: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 13:15:01.35 ID:5jB01Q08

ふたりで近くのショッピングモールや街中に買い物に出掛けるとき、ブライダル系のお店があると、彼女は必ず歩を緩めてウエディングドレスに見惚れた。
俺は正直、あざとい結婚願望アピールだな、とすこしうざったく感じていたし、結婚など夢のまた夢で自分たちの未来のことについてはいつも語ることを躊躇していた。
でも、お揃いの指輪を買ったりすると、安物なのに本当に嬉しそうにしていた。彼女は見えない将来を忘れたいかのように、今目の前にあるおそろいの指輪に喜んでいた。

 

34: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 13:21:57.28 ID:5jB01Q08

ふたりの思いは、アンバランスだったと思う。
好きだ、という感情の総量もアンバランスだったのかもしれないし、なによりその性質が異なっていたと思う。それはお互いの人間性の違いに起因していた。

感情の量も、その性質としても彼女のほうがより多く、そして絶対的だった。

その事実に困ることもあったけど、でもとても嬉しかった。その思いが、いつどんなときでも、ふたりをつなぎ止めていた。

 

35: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 13:41:07.52 ID:5jB01Q08

その関係にバランスがもたらされるきっかけになるのが、話は戻るが、今回の労災事故だった。

彼女は毎日欠かさず見舞いに来てくれた。

包帯でぐるぐるになり、かぶれてかゆいと言えば薬を塗ってくれたり、たまの入浴の介助を一番うまくこなしてくれるのはもちろん彼女だった。
婦長さんには、いい子だし嫁に貰ってあげなよ、と言われた。

 

36: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 13:42:16.80 ID:tUsx2Hyo

便器を飼ってはいけないとあれほど言ったろ

 

37: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 13:46:29.68 ID:5jB01Q08

怪我の経過を見ながら風呂もほんとにたまにくらいの頻度でしか入れなかった入院初期を脱し、包帯やギプスが少し軽くなってきたあたりのこと。相変わらず全く歩けないし、食事も病院食。
気分転換にと車椅子を押してまわりのお散歩に連れて行ってくれた。
たまに無茶をしてそのまま少し遠くに出かけたりもした。よく晴れた日で、車椅子を押しながら暑い暑いと汗だくになっていたのを思い出す。
とてもやさしい時間だった。
いつも彼女はそばにいてくれて、俺のことを気遣ってくれた。
車椅子を押してもらってする散歩は、今思い出しても本当に幸せな時間だったと思う。

 

38: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 13:55:38.46 ID:5jB01Q08

そんな中、俺は入院中に29歳を迎えた。
誕生日は彼女が頼んで外泊許可をとり、低床バスに車椅子ごとのりこんで彼女の寮の部屋に向かった。
彼女の部屋は三階で、エレベーターはない。相変わらず歩けない俺は、なんとか機能する片足を使ってけんけんで登りきった。彼女は重たい車椅子をひーひー言いながら3階まで運んだ。
すこしゆっくりして、夕飯となった。その日の夕飯は、彼女の予約してくれた近所のフレンチレストランで、フルコースだった。

病院のリストバンドをつけて、アザのある顔で、スウェットにTシャツで車椅子という入院患者丸出しの風貌で店に行った。
店の方たちは温かく迎えてくれて、入口階段を登るときはシェフが肩を貸してくれた。
その日の食事はほんとうに美味しかった。超高級フレンチというわけではなく、日常に寄り添ったやさしいフレンチレストランで、ささやかであたたかい食事を食べて、いまここにある幸せを実感した。

 

39: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 13:59:48.19 ID:5jB01Q08

長かった入院生活をずっと支えてくれたのは、まぎれもなく彼女だった。
この経験を通して、アンバランスだったふたりの思いに、以前に比べてバランスがもたらされた。
この入院経験を通して、俺は彼女にひとつの絆みたいなものを見出した。

そして退院し、俺はバイトを辞めた。

 

40: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 14:16:34.39 ID:0QDxuQ9K

労災補償を元手に俺は小さな弁当屋を始めることにした
それが後のほかほか亭である

 

42: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 17:04:57.46 ID:5jB01Q08

バイトを辞めてから、改めて自分の過去と向き合うことになった。
しかし、ごちゃごちゃだった自分の過去をとりあえず記憶のクローゼットにぎゅうぎゅうに押し込んだだけ。
そんな開けたくもない扉に向き合わなければならず、とっかかりには時間がかかってしまった。まさに重い腰。

そしていよいよ就活を本腰入れてしようと決め、職務経歴書の作成に取り掛かった。
そこで初めて過去の棚卸がおぼろげに完了し、前に進む準備ができた。

 

43: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 18:52:55.40 ID:5jB01Q08

退院し、就活の意思を決め、年が明けすこし経った頃、彼女は今いるアパートを旅立つことになった。
系列店の方が稼ぎがいいらしく、金銭的な事情でやむなしの移動だったようだ。すこしの間、遠距離になった。

俺は就活。
彼女は他県で引き続きデリ。

不安定な彼女の精神状態は、俺が遠くにいることで更に悪化して、よく落ち込むようになった。

 

44: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/09(月) 18:58:37.08 ID:5jB01Q08

俺の就活へのアクセルと彼女の精神状態の悪化を考慮して、彼女にデリヘルをやめるよう進言した。実家に戻ることを決めた彼女は、とても嫌そうだった。
彼女の父親は会社を営んでおり、その仕事を手伝うことになった。建設業で現場仕事だったが、以前もすこし手伝っていたらしい彼女は、そのまま現場仕事をすることになった。

彼女はようやく水商売から足を洗い、堅気になった。俺はぼちぼち就活をしている。

このあたりから第5章という感じ。

 

45: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 05:13:49.64 ID:BAjLPg+n

第5章をかいていく。消えないといいな。

彼女の実家と俺の実家は離れていて、いよいよ本格的な遠距離恋愛がスタートした。しかし、今までと決定的に違うのはお互いが確実に前を向いていること。
彼女はデリヘルをやめて家業を手伝うとはいえ普通の仕事についた。俺は正社員をさがしている。

彼女はどうだったか、正直わからないが、俺は2人の歩む先が今までとは違う光の方向になったと実感し、嬉しかった。

 

46: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 05:16:59.47 ID:BAjLPg+n

3ヶ月ほどうだうだしながら職務経歴書や履歴書を完成させつつ過去の棚卸をした俺は、なんとか正社員の口を見つけた。
彼女は、本当にその仕事でいいの?と不安がっていたが、俺はこれでいいんだと何も考えず就職した。
ようやく俺が本格的な収入を得られることになり、彼女にすこし楽をさせられると感じた。

これが、今から8ヶ月ほど前の話。

 

47: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 05:20:10.72 ID:BAjLPg+n

ふたりの第5章が幕を開けてから、アンバランスさはどんどんなくなっていった。
きっとその要因は俺が前を向いて行動し始めたからだと思う。
今まで俺は彼女のことを依存気質で俺の方ばっかり向いている人間で、俺が結局何してようと付き合ってさえいればなんでもいいのだと思っていた。
あなたがわたしのものであるなら、あなたがどうなっていようと私には関係ないわ、と。

でもそれは違った。

 

48: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 05:24:19.34 ID:BAjLPg+n

就活ではそれなりに悩んだ。
就職してからもかなり悩んだ。
うまくいかないことが多かった。

でも、彼女は真摯に俺のことを応援して、間違っているときには誠実に叱ってくれたりした。
今までは彼女は俺がどんな方向へ歩もうとどうでもいいのではないか、と考えたりもしたが、折々彼女は俺を正しい方向に導いてくれていたのだ。

そのことに本当の意味で気がつけたのが、第5章。

 

49: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 05:27:31.95 ID:BAjLPg+n

そこからは、ふたりの絆が深まるのは早かった。今までだって仲良しだったが、遠距離恋愛というのも手伝ってか、もっと仲良しになったと思う。

彼女のこころにも、また変化が訪れた。
今まではいざという時思ったことを口に出せず、コミュニケーションが苦手だったのだが、それをなおしていこうと自分から発案してくれた。
それと、死にたいとか何故生きてるんだろうとか、そうではなくて生きててもいいかなって思えるように、少しずつなってきたと告白してくれた。

 

50: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 05:32:18.31 ID:BAjLPg+n

自己表現と、自己肯定感が少しずつ彼女に生まれてきているのだな、と思った。
出会った頃から俺がずっと考えてきたことが、ようやく芽吹き始めているのだと思うと、感慨深かった。

その話をしたのは、夜の海辺でふたりセンチメンタルな気分になりながらのんびり話した時だった。俺の仕事が決まって、3ヶ月ほど経った時の話だった。

いよいよふたりの絆も、深いところまで来たのだと思った。うれしかった。

 

51: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 05:37:29.69 ID:BAjLPg+n

そして、遠距離恋愛がはじまったころに目標にしていた2度目の同棲を、ようやく始めるところまできた。

今現在は物件に目星をつけて、内見に行く段階だ。早ければ来月中にもふたりの暮らしが始まると思う。

1度目の同棲のころ、あのころはふたり現実から逃げていたが、今は違う。
将来と向きあおうともがき、歩みは遅いが少しずつ進んでいるはずだ。

そんなふたりのゆりかごをつくる。

 

52: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 05:39:53.07 ID:BAjLPg+n

今現在、じつは俺の仕事がうまくいってなくて、また転職を考えている。どうしようもない男であるのに変わりはない。それでも彼女だけは応援してくれた。
彼女のためにも、もう一度いい仕事を探してしっかり働きたい。

 

53: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 05:48:30.41 ID:BAjLPg+n

最初はネットナンパで出会った単なるニートとデリ嬢。

セフレだったふたりが、3年くらいの年月をかけてまじめになり、これから結婚に向けて一緒に住んで行く。

ちいさな安いアパートだけど、きっと幸せにしてやる。
ニートだったころは彼女が俺を支えてくれたけど、次の生活は俺が彼女を支えていくのだ。そのことが楽しみだ。

 

54: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 05:53:02.41 ID:BAjLPg+n

彼女はたまに、ふたりぼっち、という言葉を使うことがある。

喧嘩をして仲直りした時。
うまくいかないお互いを支え合う時。
彼女はふたりぼっちだね、という。

俺は自分の恋愛観をうまく表している歌があると思っていて、それはフィッシュマンズの「頼りない天使」という曲だ。
この曲を初めて聞いた時は、当時付き合っていた元カノで築いた恋愛観との整合性にびっくりして、感動した。

 

55: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 05:57:34.78 ID:BAjLPg+n

そして同時に一番好きな曲として、今の彼女に出会う前からずっとこころに留めていた。
その中のフレーズで好きなものに、ふたりぼっち、というものがあるのだ。

そのことを知らずに彼女は自然とふたりぼっちだね、と言っているようだ。一度、フィッシュマンズって知ってる?と聞いたことがあるが、案の定知らなかった。

 

56: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 06:02:55.67 ID:BAjLPg+n

これからも俺は彼女の頼りない天使であり続け、ずっとふたりぼっちでい続けようと思う。

おわり

 

58: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/05/10(火) 15:46:03.82 ID:BAjLPg+n

セフレでも出会い系でもちゃんとした恋愛はできる

 

近く彼女と同棲する顛末

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